【 閑仁耕筆 】 海外放浪生活・彷徨の末 日々之好日/ 涯 如水《壺公》

古都、薬を売る老翁(壷公)がいた。翁は日暮に壺の中に躍り入る。壺の中は天地、日月があり、宮殿・楼閣は荘厳であった・・・・

未知なる深海へ 高井 研 =040=

2018-05-29 05:55:17 | 浪漫紀行・漫遊之譜

〇◎ 私が知りたいのは、地球の生命の限界です” ◎〇

= 海洋研究開発機構(JAMSTEC)及びナショナルジオグラフィック記載文より転載・補講 =

 青春を深海に掛けて=高井研=  

 第3話  JAMSTECへの道 後編 

◇◆ その1「覚悟」こそ「青春を賭けること」 =1/3= ◆◇

そもそもこの連載は「青春を深海に賭けて」というウレシハズカシな題名の、爽やかで愉快なんだけれどもホロリもあるヨ、といった四畳半的青春ショーセツ風の話しをバシバシ進める予定だったのですが、おっさん研究者の現体験記がついつい多くなってしまいました。

 先日、とある学会で、ワタクシが長ーい学生時代を過ごした京都大学農学部がある北部キャンパスをずいぶん久しぶりに再訪しました。建物の中身はだいぶ変わっていましたが、外観はすこしキレイになったぐらいで、「京都の料理屋で出されるギンナンはすべて京都大学産である」とまことしやかに語られるほど立派な銀杏並木もそのままで、あの「きらきら、もんもん、ざわっざわっ」していた若気の日々をすこし懐かしく思い出しました。

 深まる秋の夕暮れ、そんな京都大学北部キャンパスの銀杏並木をシズシズと歩いていると、1997年の10月、この京都大学農学部を離れ、JAMSTECに殴り込みをかけたこと、もうJAMSTECに移ってから14年もたったこと、などのメモリーがついつい頭を駆け巡り、

      花の色は うつりにけりな いたづらに

        わが身世にふる ながめせしまに

 (現代語訳 :  「かつては絶世のテンサイよ、そらそうよ、と謳われたワタシも、みっともなく老けこんでしまったものね。研究費だの人事だの、雑事との関わりのようなことに気をとられてあくせくしているうちに...」 ) 思わずこんな変訳の小野小町の歌などひとりごちてしまふ秋は来にけり、という心象でした。

 

さてさて、自分でも少し忘れてしまった第2話「JAMSTECへの道 前編」では、ワタクシが、博士課程の最初の1年間をアメリカで過ごし、まるで「愛と青春の旅立ち」のラストシーンのリチャード・ギアになったような気持ちで、よく分からない高揚感と情熱をたぎらせて日本に戻ってきたところで終わっていました。

 その続編の今話では、たぎった情熱の行き先が、その後様々な紆余曲折を経て、「箱根の関所」を越えてついにはJAMSTECへの道場破りに向かう。そんな紆余曲折もろもろなどを紹介したいと思います。

 実はワタクシ自身、この連載をどのような方が読んでくれているのかよく分かっていないのですが、連載前の打ち合わせでは「中学生から大学院生」ぐらいの年齢層のワカモノをターゲットにしよう、という目算でした。実際その狙いが当たっているか、外れているか、は定かではありませんが、少なからずワカモノが目を通してくれているといいなあと願ってます。特に、今話は、理系大学生や大学院生に読んでみてほしいなあと。

 というのも、一般の人にはあまり知られていないかもしれませんが、少し前から日本の科学社会でややモンダイシされているらしいトピックがあり、ワタクシの若気の体験や精神構造なぞが少しばかりでも参考(悪見本)になればと思ったりするからです。

 そのトピックというのは、例えば「若手研究者キャリアパス問題」などと呼ばれるモノでしょうか。要は、どう人生を生きてゆくか、どのように職業を選択してゆくか、ということの「研究に携わるワカモノ編」と言うことができます。

地球最後のフロンティア“深海”― 光届かぬ世界「しんかい6500」で行く (2/5)=

暗黒・低温・高圧 それでも生命

「人類最後のフロンティア」と呼ばれる深海。「しんかい6500」が目指す場所は、どんな環境なのだろうか。

水深200メートルでは、太陽から届く光のエネルギーは海面の1000分の1になる。水深6500メートルともなると、光は全くない。水温はおよそ2度で、冷蔵庫内より低い。水圧もすさまじい。1平方センチメートル当たり680キログラムもの力が加わり、例えるなら指先に力士4人が乗る計算だ。

暗黒、低温、高圧。こうした極限の環境下にも生命がある。「しんかい6500」もこれまで、新種の巨大深海イカや特殊な巻き貝スケーリーフットの大群集などを新たに見つけてきた。

「深海のオアシス」を探索

深海には数百度の熱水が噴出する「熱水噴出孔」がある。海底から突起のように突き出した「チムニー」と呼ばれる地形。そこが「深海のオアシス」なのだという。周囲にはシンカイヒバリガイやチューブワーム、ゴエモンコシオリエビなどが群がっている。

JAMSTEC深海・地殻内生物圏研究分野の分野長・高井研さん(47)によると、太陽光の届かない深海では、熱水に含まれる地中の硫化水素やメタンなどを栄養とする生命が存在する。「化学合成細菌」だ。無機物と酸素の化学反応からエネルギーを得ており、一般の生物にとっては猛毒の物質もこの細菌には栄養になる。

高井さんは深海に30回以上潜航した経験を持つ。太平洋の真ん中で深海に潜り、こうした生命に出合うと、「われわれの生命の祖先もこんなだった、という直感につながるんです」と話してくれた。 では、「深海のオアシス」の様子を写真で続けて見てもらおう。

・・・・・・・・つづく・・・・・・・

動画 : “しんかい6500” 世界一周航路・ダイジェスト2013

 https://youtu.be/R16sK-FrcDE  

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・・・・・・山を彷徨は法悦、その写真を見るは極楽  憂さを忘るる歓天喜地である・・・・・

森のなかえ

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